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孤独にうちひしがれる

寂しいとか人肌恋しいとか、恋人が欲しいとか結婚したいとか、友達が欲しいとか人から認められたいとか、そういう欲求が満たされたいことは「不幸」である。ただ、私もそのようなことを考え、辛かったけれど、今はその辛さは体感としてはわからない。

子供の頃、一人になりたくてたまらなかった。留守番とか鍵っ子に憧れた。集団生活は楽しくなかった、気がする。私はずっと本を読んでいたいのに、外で遊べと言われるのだから。
自分の部屋で本を読む、もしくは図書館で本を読むことほど、幸せなことはない。知らない言葉、知らない歴史、知らない人物。たくさんの物語。やがて私は物語を書くようになる。
空を見上げる。花の名前を覚える。そして夢見る。今はこうして、現実逃避ばかりしているけれど、いつか必ず幸せな現実がやって来ると。私はお姫様になって、王子様が迎えに来ると。

お姫様になれなかった。ヒールではなく厚底で砂利道を歩く私に手を差し伸べてくれた人も、「あなたは美しいのだから、自信を持って」と言った人も、王子様ではなかった。お姫様にはなれなくても、赤いルージュを引いて、香水を纏って、ドレスを着て、デートをするという夢も叶わなかった。
でもそれが悲しいかと言うと、別に悲しくはないのだ。

私が悲しいのは、あの美しい一人の世界を取り戻せないかもしれないということ。自然やイメージと繋がって、恍惚とする快楽は得られないかもしれないということ。そう、どこかで夢見ている。高校生の頃と同じように。夕焼けを見て同じ気持ちになることが恋なのだろうと思っているから。
でも、そんな人はどこにもいない。