TさんとGの話

短大のとき、Tさんという男性が好きだった。

Tさんは三浪して短大に入った人で、私より2つ年上だった。服がものすごくダサくて、身長は私から見て少し高いくらいで、色が黒くて痩せててゴボウみたいだった。少し椎名桔平みたいな目をしていて、全体の雰囲気は修行僧みたいだった。

私はTさんに話しかけることができなくて、いつも電話で話をしていた。メールもよくした。ものすごく変な人だったけど、私のことをよくわかってくれて、褒めてくれたのは彼だけだったような気がする。

けれどTさんが好きだったのは、Gという女の子だった。

Gは背が高くて、おしゃれで、いつもニコニコしている女の子だった。可愛い顔なんだろうけど、あんまりよく覚えていない。誰からも好かれるタイプ。彼女も浪人していた。私とは同い年だった。

Gは明るい子だったけど、変わった人とか暗い人は好きではなかったらしい。私も暗くて変わっていたとは思うのだが、表面上はフレンドリーだった。当然、Tさんのことはあまり好きではなかったようで、他の人と付き合っていた。

 

数年経って、Gの家庭環境が恵まれていないことを知った。彼女は、少し無理をして明るく振る舞っていたんじゃないかな、と今は思う。

人をリア充とオタクに分け、どちらも相容れない風潮はあるけど、リア充だってそんなに恵まれた環境の中、育ったわけではない。もちろん、オタクの人だって、暗い過去を背負っている人ばかりではないだろう。

 

オタクとリア充にしても、ネガティブな人とポジティブな人にしても、お互いを批判するのはやめようよ。批判しなくても生きていけるし、嫌なら関わらなければいい。

 

ネガティブなオタクだけど、明るいネガティブであり、ネアカでもあり、中庸を目指しているから、彼らの論争は不思議だなぁと思う。

その人が幸せか不幸か、明るいか暗いか、そんなの誰にもわからない。

 

Tさんは教師になった。Gとはしばらく会っていない。もう会わないかもしれない。

Tさんだけではなく、Gも私のことを褒めてくれたなぁとぼんやりと思い出していた。